ボルト締めランジュバン型振動子 使用例(超音波カッター)のご紹介
❙概要
ランジュバン型振動子の多くは、圧電セラミックスを金属ブロックとボルトで締め込んだ構造になっているため、ボルト締めランジュバン型振動子(Bolt-clamped Langevin type transducer 通称BLT)と呼ばれています。BLTは、ボルトによる締め付け圧を適正にして圧電セラミックスに常時圧縮応力が加わるようにすることで、接着式のランジュバン型振動子よりも大きな振動振幅を得ることができます。BLTは金具部分を含めて1つの共振体となり、主に数十kHzから百kHz帯で使用されます。
ボルト締めランジュバン型振動子(BLT)の基本構造
❙用途
BLTの用途は、大きく分けて洗浄機用と加工機用に分かれます。
①洗浄機用
超音波を利用した洗浄のしくみとして、「キャビテーション」という現象が重要な役割を果たしています。
キャビテーションとは、液体の流れの中で、圧力の差により泡の発生と消滅が短い時間に起きる物理現象のことを言い、この泡の消滅の際に大きな衝撃波が発生します。超音波洗浄機は、この衝撃波を活用し、洗浄を行っています。
洗浄機用BLTは、キャビテーションを発生させる振動源として、広く利用されています。
キャビテーションによる衝撃波の強弱は周波数により異なり、周波数が低くなるほど衝撃波は強くなります。頑固な汚れを落とす強力な洗浄には28kHzが、傷がつきやすくソフトに洗浄したいものは40kHzが向いています。半導体などの精密部品やごく小さなゴミを落とす洗浄機では数百kHzから数MHz帯を使用していますが、こちらはBLTではなく圧電セラミックス単体の厚み振動を利用しています。
②加工機用
超音波を用いて切断や溶着、切削等を行う機器は超音波加工機と呼ばれています。
超音波加工機は、超音波振動を発生させる振動子部と振動子を駆動する発信器部、振動子から超音波振動を被加工物に伝える先端部(切断刃等)で主に構成されています。
加工機用BLTは、超音波振動を発生させる振動子部に利用されています。
具体的な用途としてはプラスチックの溶着や金属溶着、超音波カッター、医療用メス、歯科用スケーラなどで使用され、基本的には大きな出力が必要とされる場所で使用されています。また、通常、大きな振幅を得るために、ホーンと呼ばれる振幅拡大機構を取り付けます。
❙使用例紹介
超音波カッター
加工機用BLTを使用し、切断刃へ超音波振動を付与することで、パンやケーキなどの柔らかく切断すると型崩れしてしまう難切断材料のカットや、今まで力を入れて加工していたプラモデルの切り離し等、様々な材料をつぶさず、スムーズに切断・加工することができます。
布
付箋
CD
厚紙(t=2.5㎜)
マグネットシート
ケーブル
アクリル板(t=1㎜)
紹介動画
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